退学問題でお悩みの方へ
お子様が通われている学校からの退学や自主退学勧告について、当事務所の所属弁護士が、裁判例の傾向の把握、適切な証拠の確保、学校との交渉・裁判・仮処分などにより、迅速に問題の解決を図ります。
当事務所は、東京と福岡に拠点を持ち、電話やオンラインも利用して全国対応しております。お気軽にご相談ください。
学校での退学トラブルの解決のために
学校を退学することは、お子様の人生に大きな影響を与えかねません。また、退学によって学校に通えなくなることで、友人や学校内のコミュニティとのつながりが失われるなど、多感な時期のお子様にとって精神的にも深刻な影響が生じるおそれがあります。
突然の処分により進学や就職に支障が生じる場合もあり、保護者の方だけでの適切な対応が困難なケースも少なくありません。
当事務所では、学校からの退学・自主退学勧告といった学校での懲戒問題及びそれに対する復学に積極的に取り組んでいます。
「退学問題」例えばこんな問題はありませんか?
- 学校から退学処分を受けたが、納得行かないので取り消したい!
- 学校から自主退学の勧告を受けたが、どうしたらいいのか
- 学校からの勧告を受けて提出してしまった退学届を取り消したい!
- 退学処分を受けるほど悪いことはしていない!
- 退学処分を受けるようなことは全くしていない。えん罪である!
- 他の生徒は退学になっていないのに、自分の子どもだけ退学になったのは不当である!
- 不当な退学処分をした学校に対して損害賠償請求をしたい!
退学・自主退学勧告(懲戒処分)の2つのケース
お子様が学校側より退学・自主退学勧告などの懲戒処分を受けるおそれがある場合、またはその懲戒処分をすでに受けた場合に、弁護士が介入することで、学校に対して退学処分や自主退学勧告の取り消しや無効を求めて争い、または損害賠償請求を行う等により、問題を抜本的に解決できる可能性があります。
退学処分や自主退学の勧告がなされた状況での解決が期待されるケースは、大きく分けて2つあります。1つは、学校から指摘された違反行為に身に覚えがない場合、もう1つは、違反行為自体は事実であるものの、退学処分は重すぎると考えられる場合です。
なお、「自主退学勧告」とは、学校が生徒に対して「自主的な退学を求める」もので退学処分とは異なりますが、「応じなければ退学処分を検討する」と通告されるケースも少なくありません。自主退学勧告は、退学処分と変わりないことから、退学処分でもやむを得ない事情がなければ行うことはできないとされています。
しかしながら、学校が生徒及び保護者に対して十分な根拠がないままに自主退学勧告を行い、しかも「すぐ退学届を出してくれたら次の学校にスムーズに行けるようになります」などと伝えられて、生徒と保護者がよく考える時間を与えられずに退学届を出してしまうこともあります。このように退学届を出してしまった場合でも、退学を争うことが可能です。
上述のとおり、この自主退学勧告も退学処分と変わりがありませんので、その前提でご説明いたします。
1 身に覚えがない退学処分のケースについて
まず、「学校から言われた違反行為に身に覚えがない」ケースについてご説明いたします。
そもそも、なぜ、違反行為に身に覚えがないにもかかわらず、学校側から誤解され、退学を通告されてしまうことがあるのでしょうか。これは、学校の教師は警察官や事実調査の専門家ではないにもかかわらず、学校内で起きた問題について事実調査を行わなければならない場面があるためと考えられます。
例えば、A君が「B君から殴られた」と教師に訴えた場合、教師はA君とB君の双方から事情を聞くことになります。その際、加害者だとされたB君に対して複数の教員で厳しく聞き取りを行った結果、B君が事実と異なる内容を「認める」形の反省文を書いてしまうケースがあります。つまり、B君に対する聞き取りや調査の進め方に問題がある場合があります。
では、違反行為に身に覚えがないのに退学を通告された場合に何ができるでしょうか。
本当に身に覚えがないのであれば、教師から何を言われても明確に否定してよいと思います。その結果として学校が退学処分を行った場合は、身に覚えがない以上その退学処分を争うことができます。
身に覚えがないのに教師に言われるまま反省文を書いてしまい、その後に退学を通告された場合でも、前述の通り、教員側の調査や聞き取りの方法に問題があったり、その他にも争える事情があるケースもあり、退学処分を争うことは十分可能です。
退学に納得できない①
学校が言う違反行為に身に覚えがない場合
2 退学処分が重すぎるケースについて
次に、「退学が重すぎる」ケースについてご説明いたします。
学校には学則があり、罰則として、こういう違反をしたら退学または停学にするなどと記載されていますが、通常は学校教育法の条文をそのまま引用しているだけで詳細は明記されておらず、ざっくりした校則になっていることが多いかと思います。
学校から退学を伝えられる場合、通常は、社会的に良くないこと、すなわち違反行為をした場合であり、例えば、万引きをしてしまった、人を殴ってしまったという場合が考えられます。そして、そういう違反行為をしてしまった場合に、学校としては、このような違反行為をする者は生徒としてふさわしくないとして停学にしたり、場合によって退学処分や自主退学勧告をすることがあります。
しかし、この退学については、最高裁判所の判例として、簡単に言うと、学校からの退学は最後の手段なので、その生徒を学校内に留め置くと学校の秩序が保てないという最終的な場合にようやく退学が認められるという趣旨の判例があります。確かに違反行為は悪いことですが、例えばその違反行為1回での退学が妥当なのか、その違反行為の内容や性質、生徒の改善の可能性等を吟味する必要があります。
学校からこういう違反行為があったからと退学を伝えられても、お子様からお話を詳細に聞いていただいて、確かに悪いことをした事実があっても、お子様が非常に反省していて違反行為自体が非常に軽微な場合もあり、被害者がいる場合でも被害者から許してもらえていて示談が可能なこともあります。そして、そういう場合にまで学校が退学にする必要はないという争い方をすることが考えられます。
ですので、一概に違反行為で即退学ではなく、日本の裁判所の実務としては、学校の秩序が保てない場合にようやく退学が許されると考えられております。
退学に納得できない②
退学処分・自主退学勧告が重すぎる場合
退学処分・自主退学勧告に対して争う方法
では、学校からの退学処分または自主退学勧告がされた場合、どのように争っていくことになるのかをご説明いたします。
まず、学校との話し合い(交渉)が考えられます。
「違反行為に身に覚えがない」という場合は、学校側との協議が難航するケースも少なくありません。一方で、「退学処分は重すぎる」という事情であれば、可能性は高くないものの、学校との協議によって復学の余地が残されている場合もあります。もっとも、学校という組織では、一度決定した処分を覆すことは容易ではなく、「違反行為に身に覚えがない」場合でも「退学処分が重すぎる」場合でも、最終的には裁判に発展する可能性が高いと考えられます。
そして、学校に復学するための裁判を行う場合は、「学生の地位を確認する裁判」が考えられます。一方で、「このような不当な処分を行う学校には戻りたくない」という場合には、退学処分によって受けた精神的・社会的な不利益などについて、学校に対して損害賠償を請求する裁判を検討することもあります。
1 裁判にかかる期間について
「学校に戻りたい」というケースでは、学生としての地位確認を求める裁判が考えられます。もっとも、通常の裁判手続には一定の期間を要し、解決まで1年前後かかることも少なくありません。学校関係の問題では、その間にもお子様は進級・進学し、授業やカリキュラムも進行していくため、通常訴訟のみで対応すると不利益が大きくなる場合があります。
そのため、復学を求める場合には、通常訴訟に先立ち、「仮処分」を申し立てることが検討されます。仮処分とは、裁判所に対して「本案判決を待たずに、暫定的な判断を早急に示してほしい」と求める手続です。通常訴訟(本案訴訟)は、一般的に1か月に1回程度のペースで期日が開かれますが、仮処分では1〜2週間に1回程度の頻度で手続が進むこともあり、比較的短期間で結論が示される可能性があります。
もっとも、弁護士側の準備や主張立証の負担は本案訴訟と同程度であり、短期間での対応が必要で時間的な余裕はありませんが、事案によっては申立てから1~2か月程度で裁判所の判断が示されるケースもあります。仮処分を活用することで夏休みなどの長期休暇中に一定の結論が得られる可能性もあり、早期に対応を開始することが重要になる場合があります。
2 学校側との交渉について
改めて、裁判前に学校側と交渉を行うことによって学校に戻るという方法についてご説明いたします。
学校側は、生徒に対して退学・自主退学勧告といった処分を決定する前に、事前に生徒に対して聞き取り調査をすることがあります。
しかし、上述のとおり、学校の教師は、警察官等と異なり事実を調査する専門的能力を有していないのが通常ですので、学校の事実調査にはどうしても限界があります。
処分を急ぐあまり、教師の思い込みによる調査や複数の教員による生徒に対する長時間の密室での取り調べ、教師による不当な自白強要と言わざるを得ない行為が行われるケースもあります。また、学校の教師と生徒との力関係から、生徒が権威者である教師に対して、はっきりと事実を主張できない場合もあります。その結果、学校側が誤って認識した内容に従って、不当な処分がなされるおそれがあります。
そこで弁護士が生徒や保護者の方々に代わって、校長・教頭・担任教師と交渉し、事実を伝えることで不当な処分を避け、または不当な処分を撤回できる場合があります。
しかし、上述のとおり、学校という組織において一度決定された処分を覆すことは難しく、弊事務所の経験上、交渉だけで解決できる可能性はあまり高くないと考えております。
そして、交渉してから裁判(仮処分)を行うと、交渉が成立しないことが明らかになるまでの時間が無駄になってしまい、一刻を争う退学問題ではお子様に大きな不利益が生じかねません。そのため、弊事務所では、交渉を行うにしても、同時に仮処分を申し立てることが望ましいと考えております。
3 学生の地位を有することの確認訴訟の提起
上述のとおり、日本の多くの裁判例において、退学処分・自主退学勧告は、学生の身分を剥奪する重大な措置であることから、当該学生に改善の見込みがなく、当該学生を学外に排除することが教育上やむを得ないと認められる場合に限って許されると解釈されております。すなわち、退学処分や自主退学処分(両処分は実質的に同じと解釈されている)は最後の手段ですので、その生徒を学校外に排除しないと学校の秩序が保てないような状況でなければ、退学や自主退学勧告はできないと考えられます。
しかし実際には、学校側は学校独自の校風・方針や調査を根拠に、安易に生徒に対して退学処分・自主退学勧告を行う場合があります。
そのような場合に、弁護士が依頼者様を代理して、裁判所に対して退学処分・自主退学勧告が無効であり、学校の生徒であることを確認する訴えを提起することができます。
4 学生の地位を定める仮処分の申立て
上述のとおり、学校の生徒としての地位を確認する正式な裁判を提起した場合でも、判決が出るまでには一定の時間を要します。しかし、退学処分を受けた生徒への教育的配慮や精神的負担を考えると、できる限り早く学校へ戻ることが望ましいといえます。
そのため、退学処分や自主退学勧告等を受けた場合には、早急に、生徒としての地位の確認を求める「学生の地位を定める仮処分」を申し立てることが考えられます。仮処分は、正式な裁判よりも短い間隔で審理が進められ、比較的早い事案では、申立てから2〜4か月程度で裁判所による判断(仮処分命令)が示されることがあります。
そして、この仮処分が認められた場合には、正式な裁判の結論を待たずに、暫定的に学校へ通うことが可能となります。もっとも、最終的に正式な生徒としての地位を確定させるためには、別途、本案訴訟による判断が必要となるのが原則です。
また、仮処分の手続を進める中で、裁判所の関与のもと、学校側との協議や和解によって問題が解決するケースもあります。そのような場合には、正式裁判に至る前に、比較的早期の解決が期待できます。さらに、復学後に成績や出欠状況などで不利益が生じないよう調整を行うなど、円滑な復学に向けた対応がなされることもあります。
なお、この仮処分や前記の確認訴訟は、学校の自主退学勧告に従って退学届を提出した後であっても行うことができ、再び学校へ戻ることが認められる可能性があります。
学校での退学トラブルに関する裁判例のご紹介
1 最高裁第二小法廷 昭和49年7月19日判決(最高裁判所民事判例集28巻5号790頁、判例タイムズ313号153頁)
学校教育法第11条は、「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。」と定めています。最高裁は、この条文の解釈について、退学処分が、他の懲戒処分と異なり、学生の身分を剥奪する重大な措置であることにかんがみ、当該学生に改善の見込みがなく、これを学外に排除することが教育上やむをえないと認められる場合にかぎって退学処分を選択すべきであるとの趣旨であるという解釈を行いました。すなわち、簡単にいえば、退学処分(自主退学勧告も含まれます)は最後の手段ですので、よほどでないと選択できません、という解釈を行ったものと考えられます。この判例の解釈が、退学及び自主退学勧告に対する裁判所の判断の基準となっているものと考えます(大阪高等裁判所平成7年10月24日判決、大阪地方裁判所平成20年9月25日判決も、この判決と同様の趣旨を述べています)。
2 最高裁第二小法廷 平成8年3月8日判決(最高裁判所民事判例集50巻3号469頁、判例タイムズ906号77頁)
市立高等専門学校において、信仰上の理由から、当該学校で必修とされていた剣道実技の履修を拒否した生徒が、2年続けて留年(原級留置)となり、当該学校の学則によって退学処分となってしまったという事案です。最高裁は、退学処分という不利益が極めて大きく、また、当該学校が代替措置を認めなかったことは考慮すべき事項を考慮していないといえることから、退学処分は校長の裁量権の範囲を超える違法なものであると判断しました。
3 大阪高等裁判所 平成7年10月24日判決(判例時報1561号34頁)
喫煙を理由として高校生が退学処分となったものの、当該退学処分は、校長の裁量の範囲を逸脱した違法があるとして、裁判所によって無効と判断された事例です。
4 横浜地方裁判所小田原支部 平成12年8月29日判決(判例時報1736号94頁)
私立高校での自主退学勧告の違法性が争われた事件において、裁判所は、「自主退学勧告は、退学処分ではないものの、その結果の重大性からして、退学処分に準ずる事由の存在する状況のもとにされるべきものと考えられる」としました。すなわち、この事案において、裁判所は、自主退学勧告は、生徒を校外に追いやるという点で、退学処分と変わりはないため、処分が校長の裁量の範囲内かどうかの検討は、退学処分に準じて考えるべきだ、という旨を述べたものと考えます。
5 千葉地方裁判所 昭和62年10月30日判決(判例時報1266号81頁)
当該事案における「自主退学勧告処分は実質上退学処分に準ずるものである以上、右処分についても原告に改善の見込みがなく、これを学外に排除することすることが社会通念からいって教育上やむをえないと認められる場合であったかどうかが吟味されなければならない。」と判断しました。すなわち、この事案においても、裁判所は、自主退学勧告は、生徒を校外に追いやるという点で、退学処分と変わりはないため、処分が校長の裁量の範囲内かどうかの検討は、退学処分に準じて考えるべきだ、という旨を述べたものと考えます。
6 大阪地方裁判所 平成20年9月25日判決(判例時報2057号120頁)
高等学校の生徒が、同級生に対する暴力行為を理由に退学処分を受けたものの、過去に当該生徒に対する懲戒処分がなく、暴力行為に対する指導歴がなく、出席日数も教育、指導を継続する上で著しい支障を生ずるものではなかっため、当該生徒に改善の見込みがなく、学外に排除することが教育上やむを得なかったものとまで評価することは著しく困難であるとして、当該生徒に対する退学処分が違法と判断され、学校に対する損害賠償請求が認められた事例です(精神的苦痛に対する慰謝料は100万円)。
その他の学校問題について
いじめへの対策については、こちらよりご覧ください。
学校事故やセクハラなどの事件への対応については、こちらよりご覧ください。
セカンドオピニオン業務
一度他の専門家に相談したが、別の意見が欲しいという場合など、弊事務所では、セカンドオピニオン業務も行っております。「他の弁護士にすでに頼んでいるから相談するのは悪い」とお考えになる必要はございません。お気軽にご相談ください。